弁護士は、署名が大好きです。日付入りの署名であればなおさらです。ただし、弁護士が本当に愛することは、日付入りで署名をして、署名した内容を正確に理解していることです。ニューヨークで署名した書類と、ニュージーランドで署名した書類には大きな違いがある場合があります。
言い換えると、法律において、地理は大きな役割を果たします。
株式報酬と持株会のプランを設計し、世界中の人々に様々な方法で報いる方法において、地理は大きな役割を果たします。国が違えば、インセンティブスキームも様々で、特定のタイプのプランの設計が必要になる場合もあります。税率は世界中で明らかに異なります。
明晰な会社はこれを知っており、人材という変動する部分に適合するプランを設計します。「変動する部分」がアパートの説明を超えることは決してありません。過去12か月間(あるいはそれ以上)私たちは自宅に閉じ込められていましたが、パンデミックの間に人々が仕事をすることになった場所という点では、国際的に信じられないほどの動きがありました。
人々は、今までも現在も、全く新しい指標を使用して、主に「そこからリモートワークができるか?」という質問に基づいて、住む場所や働く場所を決定しています。ハイブリッドワークが特定のタイプの専門家にもたらす自由とは、新しい地域や新しい国に転居できるようになったことです。
これがもたらす可能性がある社会的な影響については触れませんが(会って夕食を一緒に食べる時がまた来ると仮定して)、これが株主報酬および持株会に与える影響について説明します。
それでは、ハイブリッドワークは、株式報酬および持株会にどのような影響を与えているのでしょうか?
ハイブリッドワークと株式報酬の課題
最初にお伝えしたいことは、私たちはすべてに回答できないということです。質問の中には、ようやく明確になり始めたばかりのものもありますが、多くの点で、実際にはそれほど変わりません。弊社は、何年にもわたって、クロスボーダーの株プランを設計し(こちらでクライアントのストーリーの例を見ることができます)、各管轄地域の様々な法律や規制を常に遵守してきました。
以下のいくつかの問題(とソリューション)は、弊社が過去に経験したことです。真に変化しているのは、規模と、問題の本質のビジビリティかもしれません。
ほぼすべての状況で、業務を行う場所が、(拠点がなくても)課税される場所です
もし、あなたが誰かに毎月給料を支払っている場合、法的に心配すべきことは、給与を支払うその月にその人がどこの居住者であるかということです。ただし、通常3年以上実施する持株会については、実施期間中の税債務およびその期間に拠点とする場所を理解する必要があります。
これは常に真実で、多くのケースに該当します。人々は様々な理由により、国境を越えて転居します(そして米国に居住している場合は、州を越えて転居します)。企業は個別にこうした移動を追跡し続けています。
現在、変化したことは、潜在的な移動の規模、移動の頻度、最終的にこの動きを追跡する方法です。
次のことについて考えてみてください。会社の中で、誰かがどこかから働いていて、経営陣がそれを知らないケースはありますか? パリの本社近くの小さなアパートではなく、家族と一緒にロンドンに密かに住んでいた人を知っていますか?
そして、こうした人たちの多くが思うことは「それがどうした? どこにいても同じ仕事をしているのだから、大した違いはないだろう」ということです。実際の仕事に関しては、恐らくそれは正しいのでしょう。多くの場合、その従業員が製品を作っている限り、どこで作っても問題ではありません。しかし、法的にはこれはあらゆる問題を起こします。
人がいる限り、データを正確に収集する
最も基本的なレベルでは、各国の所得税率は異なり、異なる雇用法があり、会社としては1つのセットのルールを遵守しているのに、従業員が別のルールに従っていることになります。パンデミックの間、政府はこのような緩い取り決めを概ね無視してきましたが、こうしたことが増えてくると、確実に規制が強化されるでしょう。
この1年間、政府の税収は深刻な打撃を受けているため、この規制を実施する動機は大きくなっています。政府は、税収を回復する方法を探しており、株プランに流入する数十億ドルは恰好のターゲットになるでしょう。
では、この課題に対するソリューションは何でしょうか? 実際に必要なことは、優れたデータ収集です。
雇用主は、従業員の所在地についてデータ収集を始め、自己申告の手続きを導入する必要があります。コンプライアンスを確実にするため、自己申告は雇用契約の一部とすることも考えられます。
それについて間違いがないようにする、この分野に関する法的な負担は従業員ではなく、雇用主が負うことになります。グローバルコンプライアンスの専門家TapestryのパートナーBob Grayson氏は、最近のGlobal Sharesのウェビナーで次のように発言しました。
「世界の約80%の国で、従業員に福利厚生を与えると、雇用主としてその個人について、源泉徴収し、納税を正しく申告する責任がある。そのため、絶対に雇用主の問題になる。過去には、その従業員がいる国の給与だけだったかもしれないが、今後は複数の給与が絡んでくるだろう。」
実際に、Bobが述べたように、ハイブリッドリモートワーク環境におけるコンプライアンスおよび株式報酬制度に関して言えば、雇用主にとって最大の潜在的なリスクは、納税申告と源泉徴収を正しく実施できるかどうかです。これを誤ると金銭債務を負う可能性があります。
データの収集およびGlobal Sharesのプラットフォームのような株式管理ソフトを使用することで、これを正しく行い、継続的にプロセスを自動化することができます。
ハイブリッドワークにおける規制の課題
貴社の株式報酬制度を複数国の法律に合わせて設計することは必須です
税務および株式報酬制度に関する戦時的な課題について説明しましたが、規制面の課題はどうでしょうか?
証券法(主にストックおよび株式に関する法律)および個人に対する株式オプション付与の例を取り上げます。「John Smith」がイングランドに居住し、働いていましたが、証券のオファーを受けた時にたまたま日本で働いた場合、英国法ではなく、日本法が取引に適用されます。
これは、組織が1) 従業員の所在地、2) 従業員の現在の居住地で証券をオファーすることの結果に注意しなければならないことを意味します。
簡単なハードルから非常に面倒な課題まで、場所によって違いはあれ、どこへ行っても規制面の課題はあるため、株式報酬戦略にそれを取り入れることは必須です。
ハイブリッドリモートワークや株式報酬制度のプランニングは初めてですか?
弁護士は、厚紙に署名することが大好きです。しかし、人々が世界のはるかかなたからリモートワークをしているデジタル環境では、紙が厚いかどうかという事実は問題ではありません。署名は依然として重要ですが、どこで署名が行われたのかが重要なのです。
新しい地域へ転居してリモートワークに意欲的な従業員が増える中で、これが株式報酬制度など、会社がしているすべてのことにどのように影響するのかを見極め、それに従って行動するか、署名したくないものの署名を求める弁護士が玄関先に現れるかは、雇用主次第です。
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